秘密恋愛
―文化祭当日―
「「「『お帰りなさいませ
ご主人サマッ!』」」」
何度言ったか分からない、このセリフ
さすがに聞き飽きてくれないかと願うけれど・・・
お客様は終始ニコニコ。
当分は飽きてくれなさそうなのは、一目瞭然・・・。
『はぁ・・・』
思わずため息が出てしまう
そんな時・・・
―ぽんっ
「こらっ。
顔に出てるぞ。」
聞き覚えのある声に、
あたしの頭にのる温かい手に、
あたしは思い切り頭を上げた
「お疲れさんっ!」
そこには、あたしの大好きなあの笑顔をした――
『おにいちゃんっ!!』