先生
溢れそうになる涙をこらえて、彩花も先生に笑顔を向ける。

先生に、言いたいことがある。























「先生はあたしにとってずっと先生やで。んで、あたしはずっと先生の生徒やから!」

こらえていた涙がこぼれた。
今日あたしは、中学と一緒に先生への片想いからも卒業する。

あたしと先生は、生徒と先生だった。
でも、あたしの中ではただの生徒と先生じゃなかった。
先生は、先生であるまえにあたしの好きな人だった。
でも、今日からは違う。
今日で終わり。


彩花は先生に背を向けて涙を拭うと、佐恵子たちのもとへ行った。









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