先生
気付けば彩花は眠ってしまっていた。
「今何時だろ、、、?」
彩花は制服のポケットに手をつっこんだ。
あれ?携帯がない。
彩花は携帯をカバンに入れてきてしまったみたいだ。
しょうがないから保健室の時計を見ようと起き上がった時、保健室に誰かが入ってきた。



「失礼しまーす。あれ?草川先生おらんな。」
あたしはとっさに布団に潜った。

聞きなれた大好きな声。
いつもいつも追い掛けてる声。


、、、なんで先生が保健室に?







ケガをしたのかなと心配していると、もう一人、誰かの声がした。
「え〜、草川先生おらんの〜。てゆうか、結構血でてきてんやけど」
さっき体育の授業だった一年生の男の子みたいだ。
「うわっ、ほんまやな。とりあえずそこ座れ、」
なんだ。先生がケガしたわけじゃなかったんだ。
彩花はホッと胸を撫で下ろした。

西本先生と男の子のやりとりが聞こえてくる。
彩花は先生の声を静かに聞いていた。

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