先生
「よしっ!オッケー♪」
「サンキュー!先生」
・・・あ、手当ておわったのかな。
ってことは先生もういっちゃうんだ…。
彩花は小さくてため息をついた。
「じゃ!先生手当てありがとーございました〜」
一年生の男子は出ていった。
先生は、手当てで使った道具を片付けた。
あたしもそろそろ起きなきゃ。
先生が保健室出ていったら、授業戻ろ。
そんなことを考えていると、突然先生の声がした。
「彩花?」
え!?
彩花は突然名前を呼ばれて固まってしまった。
先生の足音が近づいてくる。
どうしよう。
泣いてたから目腫れてるし、見られたくないっ。
彩花のそんな願いも虚しく、ベットのまわりを囲むようにして仕切りをしていたカーテンはあけられてしまった。
「彩花?体調大丈夫かー?」
あたしの体は一瞬びくっとする。
顔が赤くなるのが自分でもわかった。
「だ、大丈夫ですっ」
声がうわずる。
彩花は布団で顔を隠した。
「ほんまに大丈夫か?」
そう言うと、先生は彩花の寝ているベットの横にあったパイプ椅子に腰掛けた。
< 16 / 118 >

この作品をシェア

pagetop