先生
どうしよ…

「彩花、熱は計ったんか?顔めっちゃ赤いで?」
先生はいつもより優しい声で彩花に話しかけた。
「は、はかってないですけど…。大丈夫ですっ」

顔が赤いのは先生のせいだよ、、、。ばか。

「大丈夫って言うなら別にええけど。っていうか、なんでお前顔かくしてんねん(笑)」
「そ、それは、、、目が腫れちゃってて、みられたくないんやもん」
彩花は小さく言った。
「え?なんて?よく聞こえんかった」
そう言うと先生は、彩花に顔を近付けてきた。

!?

「、、、っ」
彩花は言葉につまった。

ずっと触れたかった先生が数センチ先にある。


ずっと

ずっと触れたかった先生が
こんな近くにいる


触れたくて伸びた手。

でも彩花はそれを抑えた。





今、触れたら
先生に触れてしまったら
すべてが崩れて
今が崩れてしまいそうだったから

今あたしは先生にとって
生徒のひとり
そして
先生と生徒として、いい関係が築けている
でも
今触れたらきっと先生は
一生あたしに
笑いかけてはくれないだろう




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