先生
一曲目が終わると、美羽はマイクの前まで出てきた。

あ、美羽歌うんだ。


前まで出てきた美羽は、ドラムをやっているときよりも、全身にライトを浴びて、キラキラして見えた。


ドラムの音と共に曲が始まる。
美羽の歌い始めた曲は、切ない恋の歌だった。

彩花は先生を探した。

先生は、どんな顔してこれを聴いているんだろう。

美羽が先生を好きなのはバレバレだし、きっと先生も自分に好意をもたれていることはわかっている。
というか、二人は今、噂が立っている。

彩花はどうしても先生の顔を見たくなった。

気付けば彼女は人をかき分け、先生を探していた。
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