先生

−あ！

やっと見つけた西本先生は、一年生の女の子と、大好きな笑顔でキャーキャーふざけあっていた。




彩花の顔はどんどん歪んでいく。




わかってる。
嫉妬しても無駄なことぐらい。
先生の彼女でもないのに、焼きもち焼くなんて馬鹿げている。
でも、嫉妬せずにはいられない。
先生が、大好きな笑顔をあたし以外の人に向けていることがすごい嫌だった。
悲しくて、切なくて、そして、どうしようもないくらいの絶望感が、あたしの頭と心をうめつくした。
あぁ、あの笑顔はあたしだけに向けられたものじゃないんだ。
先生にとってあたしは生徒の一人なんだと、胸に突き付けられているようだった。