先生
涙を拭った彩花は、もう一度先生を見てみた。
すごく切ないのに、先生の横顔や、ミラー越しに見える表情にキュンとしてしまう。
やっぱりあたし、先生のことどうしようもないくらい好きだなあ。
なんて考えていたら、ミラー越しに先生と目が合った。
彩花は慌てて目をそらした。
ただでさえ速い心臓がさらに速くなる。
こんなんじゃ、好きなことがばれてしまう。
でも、キュンってしっぱなしの心や、速い心臓を、落ち着かせることは、彩花にはできなかった。