先生
ポツッ

「あ、」
彩花が空を見上げた瞬間、突然雨が降り出した。
しかも、大雨。
滝のように降り出した。

「うわっ、なんやこれっ」
先生の車は校舎から少し離れたところに停めてある。
彩花と先生はあわてて校舎まで走った。





「うっわー。ベッタベタやな」
先生はベタベタに濡れた服をつまんで言った。
「あーあ。どうしよ、、、こんなに濡れちゃった」
髪も服もベタベタ。
こんなんじゃバレーできやん、、、。
せっかく先生が誘ってくれて、しかも迎えにまで来てくれたのに、、、。

なんだか泣きそうになった。

髪から滴り落ちる雫が、玄関のタイルにポタポタとおちていくのを彩夏は黙ってみていた。






「彩夏、おいで」
「え?」
振り返ると、先生が玄関の中に入って手招きしていた。
訳が分からないまま、とりあえず駆け寄る。
「ベタベタやろ?これじゃ風邪ひくし、とりあえずおいで」
先生はそう言うと、職員室に入っていってしまった。
「え!?ちょっ、待って」
先生のあとを慌てて追い掛けて、彩夏も職員室に入った。
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