先生
「はい、これ」
職員室に入った瞬間、先生はタオルを投げ渡してきた。
「わぁっ」
「それで頭ふいとけ」
先生は箱から学校の予備の体操服を出しながら彩花に声をかけた。
「あ、はい」
彩花は頭にかぶったタオルを手に取ってみた。

あ、これ、、、。
先生がよく使ってるタオルだ。
先生のタオルなのに、使っちゃっていいのかな。

ていうか、、、

なんか、ドキドキするんだけど、、、。

あ〜!ヤバイッ
あたし変態みたいじゃんっ

彩花はドキドキを振り払おうと、ワシャワシャと頭を拭いた。

それを見て先生が笑った。
「彩花なにやってんねん(笑)」
「ハハハ、、、」
彩花は苦笑い。

あーぁ。絶対変な子やって思われたわ。最悪。

落ち込んでいる彩花に、先生は体操服を手渡してくれた。
「これ、ちょっとお前にはサイズでかいかもやけど」
「あ、ありがとうございます」

慌てて体操服を受け取る。きちんとたたまれた体操服を広げてみると、先生の言うとおり大きかった。
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