先生

気付けば一月はあと数日。早くバレーのことを決めなければいけない。
そして、受験が目の前に迫ってきて、彩花達のクラスもピリピリしてきた。

彩花達の県は、前記選抜という、ほとんどの学校が面接と作文、内申書だけで合格不合格を決める受験が三月にある。だいたいの受験生が前記選抜を受ける。
だが、気はぬけない。滑り止めの受験は筆記。
前記選抜を受ける人も、滑り止め、または後期選抜のために、毎日カリカリシャーペンを動かしていた。

「なんか、教室におると息つまるな」
「うん。ていうか、怖い(笑)」
「たしかに(笑)」
「まあ、しょうがないんやけどなあ」
休み時間、いつもの4人で廊下にたまる。
こんな会話をしながらも、4人もクラスのみんなと同じ立場。
心から笑っていられなくなってきた。
「あ、あたし今日面接練習や」
彩花は廊下に張り出された面接練習のスケジュールを見て言った。
「あたし明日やわ」
由香里が天を仰ぎながら言った。
百果と佐恵子もスケジュールを確認する。
みんなため息をついた。
面接練習へのため息じゃない。
残された面接練習もあと数回。=受験が目の前

みんな受験への不安を隠せないでいた。
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