先生
だんだん玄関が近くなってきた。
彩花は、もう一つ先生に言わなきゃいけないことがある。

「先生、」
「何?」

なかなか言いだせなくて、沈黙が続いた。

「あたしな、」
「うん」
「、、、。あたし、バレー続けやん」
言ったあと、なんだか涙が出そうになった。
「そっか。わかった。そうやって電話しとくわ。」

先生ごめんなさい。

それしか出てこない。

「先生、あの、ごめん」
泣きそう。
声が震える。

あたしはバレーが好きだけど、先生がいない環境で続けていく自信がない。
それに、先生への片想いを終わらせても、高校でバレーを続けていたら、先生への想いをずっと断ち切れない。

「謝ることじゃないやろ。お前が悩んで決めたことやろ?」
そう言って、先生は彩花の頭をポンポンと撫でた。
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