先生
気付けば、彩花の目からは涙が流れていた。
とめどなく溢れる涙は、彩花の頬を伝って、ポタポタと手に落ちた。

見渡せばみんな、目に涙をためていた。
小さな田舎の学校で、クラスも、一つの学年に2クラスという小さい学校。
みんな、保育園からずっと一緒だった。
保育園も幼稚園も小学校も中学校もいつも同じメンバーだった。
ずっと一緒だった。

そんな、幼なじみみたいに長い付き合いのみんなと、ここを卒業すればもう、離ればなれ。
みんな、まだ全然実感なんてわかなくて、でも、涙は溢れてきて。
彩花たち三年生は、それぞれの思いを抱えながら、スクリーンをただじっと見ていた。
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