パパとわたし
ジリリリ。
玄関のベルがなる。
誰だろう。
パパの顔を見ると、優しい笑顔が返ってきた。

行ってご覧。パパからのプレゼントだよ。

由依はいすからすべり降りて玄関に走った。
ドアを開くと大きなかごを持ったおじさんがいた。
かごの中には、黒くて大きな鳥がいる。目の周りだけ白くて、くちばしは黄色い。瞳も黒くてきれいだ。心配そうにこっちを見ている。目が合うと小首をかしげた。

この子が由依の誕生日プレゼントなのね!何てきれいな鳥なの!
由依は一目で気に入った。
配達員にお礼を言ってかごを受け取ると、はやる気持ちをおさえてリビングに戻った。
鳥はキョロキョロとあたりを見回している。
怖がらなくて大丈夫よ。これからはここがお前のお家なんだから。

パパはにこにこして待っていた。

どうかな。気に入ったかい。

うん、とっても素敵。図鑑からでてきたような鳥は、今は落ち着いて、大人しく羽を休めている。
触ってみたい。

利口な鳥らしい、そのうち由依とおしゃべりするようになるよ。

本当?話せるようになるなんて信じられない!考えただけでわくわくする。

出してみるかい?かごの中は窮屈そうだ。

パパがかごをテーブルに置いて、そっとその扉を開けた。
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