パパとわたし
鳥は最初はびっくりしてたけど、ゆっくりと足をふみだした。かごの外に出ると羽を広げて伸びをした。
初めて来た場所に興味津津だ。ちょっとだけ元気になったかな。動きがすばしっこくなっている。由依とパパの顔をキョロキョロ見たり、辺りを見渡したりして忙しいったらない。

気に入った?お前のお家だよ。今日から私がお姉さんだよ。

首をさすってやると、気持ちよさそうに体を預けてきた。可愛い。
でも次の瞬間、パパの肩に飛び乗ったのでとても驚いた。パパも突然のことにびっくりしたみたいだ。
笑いながら鳥をテーブルに降ろす。

とんだ悪坊主だな。由依お姉さんも私も驚いたじゃないか。紳士は突拍子もないことはしないものだ。
そうだ、名前を付けなくてはいけないよ。由依が好きに名付けなさい。

名前を付けるなんて素敵。何にしようかな。男の子の名前なんて考えてもなかなか思い付かない。簡単すぎる名前は退屈だし、それにこの子が気に入るような恰好良い名前にしなくちゃ。

しばらく悩んでいると、パパが命名は今日の宿題にしよう、いい子でね、と言って、研究室に入って行った。困っていると、衣央さんも一緒に考えてくれることになった。
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