パパとわたし
朝ごはんを食べながらパパに夢のことを話した。

パパは少し間をおいて、ゆっくりと話しはじめた。


ママが名前をつけたんだ。
由依ってね。

初めて聞いた。

ママがつけてくれたんだ。
由依に生まれて良かった。
由依ちゃん、と呼ぶ声がしたの。

そうだよ。ママは、私の由依ちゃん、といつも呼んでいたんだよ。

パパのその言い方。そっくりだった。

じゃあ、本当の本当に会いにきてくれたのね!
やっぱりママはママだった。
うれしかった。本物のママに会えるなんて考えてなかったから、涙がでそうなくらいうれしい。

良かったね。由依。
きっとその夢は、少し早いけれど、ママからの誕生日プレゼントだよ。

そうだ。きっとそう。
天国から会いにきてくれたのね。
すてきなプレゼントだ。
ママに愛されてる、って感じられる。
今だったら由依も言える気がする。大好きだよ。
ずっと会いたかったよ。
会いたかった。
由依のお願いが天国まで届いたのね。

衣央さんも喜んでくれた。
来たのね、って言って髪をなでてくれた。よかったわね、うれしかったでしょう。涙ぐんで言われると、由依も一緒に泣いてしまった。
しばらく衣央さんと抱き合って泣いた。

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