マシュマロ
椿が遊基くんに電話してから数十分後。


ガラッ


「……はぁッ…つば…ッ」


息切れした遊基くんがきた。


少しの沈黙のあとゆっくり椿がしゃべり始めた。


「ねぇ……つば、こんなこと…
聞きたくないんだけどさ…」


椿は数十分前とはまったく


別人の顔をしていた。


キレイで、まっすぐで、


嘘いつわりがない顔。


「………キレイ……」


思わずこぼれた言葉はどうやら


聞こえてなかったらしい。


「遊基はさ……浮気してたの…?」


「…………………。」


「つばはさ……2番目の女なの…?」


「…………………。」


「なんとか言ってよ………。」


ここ、病室なのに…。


まだ5時か…。


「…つばはッ……つばはッ!!!!


………まだ、遊基が好きだよ…」
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