Azure Music
……いや、私が無視すればいいんだ、うん。



「あんたタメっしょ?新入生だよね?」



話しかけてくるのを、私は歩きだして無視した。


方向が一緒なのは当たり前。
そいつもやっぱり付いてくる。


「俺も1年だしさ、仲良くしようぜ」



誰があんたなんかと。


口に出そうとしたけど、さすがにかわいそうだと思って、やっぱりシカトした。




なのにコイツは諦めずに話しかけてくる。

なんなんだ?
私に何があるっつうの?
いい加減しつこいの嫌いだよ?



「あんた、名前は?」


そう聞かれたけど私は同じよう無視した。



「俺、小西零っつうの。あんたは?」



………れい…



「…漢字は」


残念ながら、私は無視できずに聞き返してしまった。



< 12 / 26 >

この作品をシェア

pagetop