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「大西って、俺小西だし、逆じゃん」



そこからまた私は無視モードに入った。

というのに、零は何度も何度も私に話しかけてくる。


しつけぇなこの野郎!



「さゆりってどう書くの?」


「…小さいゆり」



むしろシカトすることの方が大変だと悟って、小さい声で言う。



「へぇ、名前通り」



さすがに腹立つわ



「小百合、て呼んでいい?」

「うん。私も零って呼ぶ」

「ああ」




どうして零と呼びたくなったのか、自分でもよくわかってない。

ただ、昔から『川村零』を頭の中で意識していたからなんだと思う。



それに、なんか小西というよりも、零の方がコイツの雰囲気に合ってる気がした。
デカイからかな?




それは私もそう言われる。

小百合ってイメージが大西よりでかいわ、って。


それは私が小さいって意味か。
小百合って字の方が小さい使うからそんな感じってか。


どうせちいせぇよ…。


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