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私はただ舞台で弾いている男の子を見つめる


『モーツァルト ピアノ・ソナタ第18番』
中学2年生で軽々と弾いている



なんであんなきれいに指が動くのだろう

あの大きな手が羨ましい



───あの才能が欲しい



どうしてああも自信を持って弾けるのだろう

緊張感のかけらもない、絶対

緊張すると音が震える
あの人は震えてなんかない、むしろ響いていた


どうしたら、あんなにうまく弾けるのだろう


私と同い年だというのに



───あの音楽がほしい




───あの指が 欲しい───


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