空雲
僕ら…と私
あいつと出会ったのは,今から2年前…中学3年の夏のことだった。 『なぁなぁ,杉田は模試どうだった??』
教室の片隅で,ボーと空を眺めていて一瞬で現実に戻され少しムッとしてしまった。それと同時に,自分の視線の先にいきなり現れた宇治川の豚顔になんとなく,癒しさえかんじた。
『うん。まぁまぁかな…』
この微妙な答えに宇治川は,さすがに豚顔なだけあって鼻が聞く。『もしかして,調子わるかった?!』
ニンマリ笑いながら,宇治川は俺に聞いてきた。
『う~ん,調子はよかったんだけど…ちょっと,体調がわるかったんだ』
たしかに,体調が悪かったのは真実だ。ストレスのせいか?一向に,眠れないのである。『体調が,悪かったんだったらしゃないよ』宇治川は,あまり人の心の中にはズケズケと入ってはこない。だから,俺は宇治川が好きだ。豚顔だけど(^^; 『そういえば,今田さんとうとう,佐川と付き合いだしたらしいよ』
俺は,その言葉に…
『そう…』
としか答えるしかなかった。
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