azure days-ツンデレ彼女とバカ男-
あたしは和明に連れられて、屋上に来た。
「何の用ですか合コン三昧のばかずあき」
「だからあれはちがうって!!とにかく、座って。な?」
何が違うのよ。とか思いつつも、久しぶりに話せるならとあたしは和明のとなりに座る。
屋上の空は近くて、青がよりあざやかに見えた。
春の風が、あたたかくて気持ちい。
和明が、口を開いた。
「俺さ、もう野球できないんだ」
あの夢が甦る。
でも今はあのときと少し違う。落ち着いてて、寂しそうなのに吹っ切れている、そんな顔。
「俺が中3のとき、光莉に言ったことあったよな?あのときお前、どうしたか覚えてる?」
あたしは黙っている。そうすることが、和明の次の言葉を引き出すから。
「他のやつらに言ったらさ、やっぱり最初に確認してくるんだよ。でも光莉だけは違った」
和明は、そのときのことを静かに語り始めた。