azure days-ツンデレ彼女とバカ男-
また前奏が始まる。
綺麗に流れるコード。
一定な、でも表情のあるビート。
(壊さないように…)
――――♪
久しぶりなのに、声が良くでる。
そういえばミツ兄が弾いてるときに歌った以来だ。
だけどそのときとは違う。
解放された広い空。
そのしたで流れる二つの音楽。
(楽しい――)
歌が終わりギター音だけが小さく響いて、もう歌い終わったのかとがっかりした。
和明は余韻にひたりしばらくボーッとしていた。
「………光莉、上手すぎ」
ぽつりと呟かれる。
「ミツ兄の部屋で歌ってただけだよ」