azure days-ツンデレ彼女とバカ男-
「ん、当たり」
「やっぱりね。光莉がこの高校にしたのも、桐野先輩がいるから?」
「べつにそーいうわけじゃ・・・」
桐野先輩。
夢に見た、あたしの憧れの人。
ひとつ年上で、家が近所で、幼馴染。
小学校までは普通に同じ歳みたいに遊んでたけど、中学はそうはいかなかった。
あたしと桐野先輩--和明は、和明が中学に入ってから全く遊ばなくなってしまった。
あたしはそれに寂しさも覚えたけど、また1年経てば大丈夫だと思っていた。
1年の差は大きく、今まで呼び捨てで呼んでいたのに、急に先輩をつけないといけなくなって、
ますます距離は広がった気がした。
それでも和明は、学校内であたしに会えば懐かしそうに笑ってくれるし、話しかけもしてくれる。
あたしと同じ学年で、和明にあこがれている人が多い中、そういった和明の態度はかなり嬉しかった。
(まぁ、いつも緊張して口悪くなるんだけどね)
あたしは吹奏楽部に入り、和明は野球部だった。
小学校からやっていたので得意だったんだろう、3年生が引退するとすぐにエースナンバーをもらっていた。
毎日毎日、日がくれても練習してて、誰よりも頑張っていた。
何よりも輝いていて、かっこよかった。
そして誰よりも、野球が好きだった。