【短】KARA KIRA
「はやしー先生、好きなんだけどなぁ」
この宿題の量だけは、好きになれないなぁ、と海砂はぼやいた。
くるり、くるり、と智広の手の中で回っていたペンが、動きを止める。
「なら、その尊敬する林原先生を見習って、海砂も少しは真面目になったら?」
真白なワークを押し付けられる。
そこに並んだRiだのCaだのの記号は、海砂にとってはただの記号でしかなく、意味を求めるのは至難の技だ。
わからない、と言ったのに少し意地の悪い対応に、海砂は少し笑った。
「もしかして、妬いた?」