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そしてふたりは
――ガチャン
少女の足を繋ぐ鉄枷を刀で断ち切り、俺は手を差し伸べ、少女を立たせた。
よろよろと立ち上がる少女を支えてやると、安心したような笑みをこぼした。
―…警戒心はないのか。
そんな疑問が浮かぶ。
「恐く、ないのか?」
返り血が衣服にべっとりと付着している男に支えられて恐れを抱かないのだろうか。
「恐くないよ。…あったかい」
少女は笑ってそう言った。
「っ…」
何故だか、胸が熱くなった。
「…お前はもう自由だ。好きな所に行け」
沸き上がる訳の分からない感情に戸惑った俺は早くこの少女から離れたかった。
しかし、少女は俯いて顔を伏せた。
「………」
何も言わない少女に対し、俺は背を向けてその場から立ち去ろうと踵を反した。
「…っ、待って…!」
「…何だ」
少女は俺のスーツの裾にしがみつき、制止の言葉を投げ掛けた。
仕方ないので足を止め、振り返る。