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彼がこの組織『ユグドラシル』の創設者であり、カインの雇い主でもある。
あてもなく放浪していたカインを拾い、組織お抱えの殺し屋としての存在と地位くれた男だ。
若いながらも相応の実力と確立された地位を持つ、彼…スカーレットは奇才と呼ばれている。
そしてここで重要な任務を任せられる者は皆、彼にコードネームをつけられる。
カインを初めて見た時、スカーレットは言った。
「お前の銀色の髪はまるで空から零れ落ちた雨のようだな」
と。
スカーレットは僅かに笑みを携えてカインを見た。
「さすがだな。よくやってくれた」
「…ああ」
「何か…あったか?」
「…?」
「いつもより嬉しそうだ」
…嬉しそう?
スカーレットの言葉に、カインは首を傾げた。
「どうしてそう思うんだ」
彼は別に笑っていたわけでも、そんな雰囲気を出していたわけでもない。
…あくまでカインからしたらだが。
「なんとなく、だ」
そう言って目を細めたスカーレットを、カインはただ黙って見ていた。