sky
生まれるモノ
―ザアザアと、雨の降る音がする。
いつもと変わらない朝なのに、今日は何故だかベッドが狭く感じられた。
暖かい…?
背中に何かの温もりがある。
まだ眩しさに慣れない瞳を開け、後ろを振り向くとそこには金色の髪。
白いシーツの色に映えるそれは、俺の背中にぴったりと寄り添うようにあった。
「ぅ、ん…」
聞こえる微かな吐息が俺のまどろんだ意識を覚醒させる。
そうだ、俺は昨日少女を…ララを拾った。
いつベッドに入ったのだろうか。
その時の記憶は曖昧で、ほとんど覚えていない。
ララが一緒に寝ていたことにも気付かなかった。
どうしたんだ、俺は。
誰かと一緒に寝るなんてあり得ない。
そんなに疲れていたのだろうか。
隣に誰かがいることにさえ気づかない程…―。