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「ララ」
「……あ、お客さん……?」
ララはメリッサを見ながら首を傾げて言った。
彼を警戒してるのか、その表情には戸惑いがある。
「カイン……?」
一方メリッサは、ララが呼んだその名に反応した。
「レイン、カインって……」
……本名までバレた。
「……俺の名だ」
「! そうなんだ」
少し驚いた顔をして、その後にこりと笑った彼に嫌な予感がした。
「へえ、カイン、か。じゃあ俺もそう呼ぼうっと」
「な……」
「いいだろ? コードネームとあんま変わんないし。大丈夫。仕事の時はいつも通り呼ぶから」
「そういう問題じゃ」
「あっ、俺の本名聞きたい?」
俺の言葉を無視して話を勝手に進めるメリッサに、ついていけないと再度思った。
「いい」
「何だよ、聞いてくれよー」
「知る必要ない」
「相変わらず冷たいな。いいよ、お前から教えてくれって言ってくれるまで待ってるから。な、カイン」
すねたように俺の名前を強調して言う。
こいつは何歳だ。
そう思いながらため息をついた。