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「……それで」

「ああ、ごめん。話が逸れた」

弁解しながら笑うメリッサに、カインは軽くため息をつき彼の言葉を待った。

「それで、レインが依頼通り“仕事”した後、……一昨日の夜遅く俺のもとにある情報が入ったんだ」


一昨日の夜……。

カインが組織から自宅へ帰った後だろう。

「それによると、屋敷が力をつけ始めた時からそこの主と密かにコンタクトをとっていた男がいたらしいんだ。それでその男の容姿が、紅い髪、らしい」

「紅い、髪」

カインの脳裏に、昨日のララの怯えた姿が浮かぶ。



あの後、気疲れしたのかぐったりとしてしまったララをベッドに寝かせた。

そして彼女が目覚めないまま今日に至った。


今ごろは起きているだろうか……。









「レイン?」

「……悪い。続けてくれ」

つい回想に浸ってしまっていたカインは、メリッサの自分の名を呼ぶ声にはっとした。
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