sky
「なあ、レインはどう思う?」
話の転換を求めてか、メリッサがカインに尋ねた。
「……俺は」
カインは昨日のララの言葉を思い出す。
『わたしは泣いて……』
『でも、彼は嗤って……!』
「……」
『……ありがとう』
「……分からない。その件についてはお前が調べてくれ」
「……そっか」
分かった、とメリッサは苦笑した。
「ただ」
「……?」
「本当にそいつが黒幕だったなら、俺が始末する」
「えっ?」
カインの言葉にメリッサは思わず驚きを見せた。
「……時間だ」
そう呟いたカインはイスから立ち上がり、ドアへと向かった。
その様子をメリッサはただ黙って見送る。
そしてカインが部屋を出る時、大きめの声で言った。
「っ、何か分かったら連絡するから!」
「……」
一度足を止めたカインだが、彼が応答することなく、バタンと音をたててドアが閉められた。
一人、残ったメリッサは誰に言うでもなく呟いた。
「俺が始末する、か。レインがそんなこと言うなんてな」
そしてポキポキと指を鳴らし、書類を抱えて自分も部屋をあとにした。