sky
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コツ、コツ
無機質な靴音が響く一室に男はいた。
血のように紅く長い髪が、彼の歩くリズムに合わせて揺れている。
「紅蓮(グレン)様」
「……」
紅蓮と呼ばれた男は、自分の名を呼ぶ声に反応するかのように足を止める。
振り返れば、そこには黒髪の青年が立っていた。
「何だ、レイヴン」
男は青年に対し、問う。
青年、レイヴンは彼の前に跪き、顔を上げずに言った。
「先ほど得た部下からの情報によりますと、ダレス様の屋敷の者が数日前、何者かによって全員始末されとのことです」
「何……?」
レイヴンの言葉に、男の表情が険しくなる。
「闇の組織の仕業ではないかと……」
「黙れ」
「っ……!」
途端に、男の纏う空気が痛いほどに張り詰めた。
「そんなことはどうでもいい。……アレはどこだ」