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するとカインは怒るわけでも、呆れるわけでもなく言った。


「……なら、服を買わないとな」

「……、え?」

予想外の答えに、わたしはつい声を漏らした。


服……?

どうしてそう言うのか分からなかった。


「それに色々、必要だな」

「っ、カイン?」

「何だ」

「何の話……?」

期待も何もしないでわたしはそう聞いた。

カインは首を僅かに傾げて、更に予想もしていなかった言葉を言う。

「……しばらくここにいるんだろ?なら服とか、色々揃えなければだめだろう」

「……ここにいていいの?」

「俺がお前を拾ったんだ。出ていきたいなら勝手にすればいい」

「……っ」

「いたいなら、いればいい」

「……!カイン……っ」

カインのさっきの言葉が、わたしを追い出そうとして言ったものではなかったと、今分かった。

わたしが被害妄想をしていただけだと思うと少し恥ずかしかったけど、それよりも大きな安心感に包まれた。

「ありがとう、カイン……」

昨日あれだけ泣いたのに、今日もまた新たな涙が頬を伝った。
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