ホワイトデーの復讐
なんで食べたのかって?―そこにチョコがあったから。
「紗也(サヤ)!」
『ん?』
「もうすぐホワイトデーだねっ!」
嬉しそうにそう言いながら、あたしの席に近づいてきた優花(ユウカ)。
ずっと片想いしていた(らしい)隣のクラスの神田(カンダ)くんへの思いが実って──ってか両想いで。
バレンタインデーという聖なる日に、晴れてカップルに。
まさに幸せってオーラが溢れてた。だってなんか、最近可愛くなったもん、この子。
うってかわって、あたし。
今年、特にあげたい人もいなくて。近所のチビッコと、幼なじみに渡した。
その幼なじみがまた、無駄にかっこよくて。
え?どんな顔って?
「紗也」
そうそう、今あたしの名前を呼んだヤツにそっくり………って!!
『本人っ!?』
あたしの前に立つ、非の打ち所のない顔をしてる男こそ。
その幼なじみである彰(アキラ)。
「本人って……何?俺のこと考えてたの?」
ニヤリと笑って言う彰。
違うって言ったら嘘になるけど…肯定したくない!!
『別にっ……ってかなんでいるの?』
そう、これが一番の疑問。