ホワイトデーの復讐
最近ヘンなの、あたし。
彰に触られると、胸が苦しくなる。鼓動が速くなるんだ。
顔も赤くなっちゃうし、意味わかんない。
彰病?これ何科の病院行けば治る?
「顔、赤いよ」
優花が意味深な笑みを浮かべてる。
『べ、別にそんなことないしっ』
「病気だね」
『え?』
やっぱり!?
『これ、何?』
「言うなれば…“恋の病”」
『……そんなクサイこと言って、恥ずかしくないの?』
「言わせたの紗也じゃん!って急にクールになるのやめてよ!」
プンプン怒ってる優花。
別に言わせたつもりないし。…ってか恋の病って…だいたいあたし、彰のこと男として見てるかすら怪しいのに。
「恋は頭じゃなくて、心でするんだよ。考えてわかんなくても、カラダは素直でしょ?」
そう言って、あたしの赤くなった頬をつまんだ。
「紗也は鈍感だけど、そこまでバカじゃないじゃん」
そこまでってなんだっ。
「彰くんに会うと、ドキドキする理由くらい、わかるんじゃない?」
いやー、恋の力って素晴らしいみたい。
優花の言葉に、普段はない説得力ってもんがあった。
そんな説得力に負けて。
あたしはコクリと頷いてしまった。