ホワイトデーの復讐
「落ち着けたかしら?」
『う、うん…でも……』
ここは彰の家のリビング。
長くなるからって、入れてくれたんだ。
ただね?
『どうして…たーくんがいるの?』
「みっくん!これ!」
「おぉ!これこの前発売したばっかのゲームじゃん!お前流行に乗ってるな!」
「やろやろ!」
いつの間に仲良くなったのか、満くんと一緒に、ゲームを始めたたーくん。
「あ、あたしが呼んだの……」
……そう言うすみれちゃんの顔が赤かったのは、暖房が効いてるせいだよね?
「彼のためにも、初めから話すから」
チラリと彰を見るすみれちゃん。
彰のため?
あたしも彰を見ると、バッチリ目が合ってしまった。
ニヤリと笑う彰に、なんとなく悪寒が走った。
「バレンタイン…あたしの下剤入りチョコを彼に渡したのは……あたしの勝手な嫉妬。告白は建前だよ」
…ん?ちょっと待って?
彰を通して、あたしに食べさせたかったんじゃなくて、彰本人に食べさせたかったの!?
ってか…そーだよ!すみれちゃんは一度、彰に告白してるんだ!で、彰は断った……じゃあ彰の好きな人は?
あ、でも……彰に嫉妬って…何?
「一番近くにいたのは彼だったから…男同士、何もないことは明白なのに、あたしは話しかけることも出来なくて…悔しかったの」
男同士……じゃあすみれちゃんの好きな人って彰の友達!?
まさか、満くん!?
でも…満くんとはメールするくらいの仲だし…第一彼も毒チョコの被害者じゃない。
「前にね、話しているのを聞いたことがあって…あたしの好きな人の将来の夢は、紗也ちゃんと結婚すること、なんですって」
『えぇ!?』
あ、あたしと結婚!?
そ、そういえば……フェンス越しに超睨まれた…
「でも紗也と話してみて、彰くんが好きなのはなんとなくわかったから、大丈夫だなって思って……」
……で、結局は?
『結局、すみれちゃんの好きな人って?』