ホワイトデーの復讐
「はあーっ…」
大きなため息をついて、ゴロンとあたしの隣に寝転んだ。
「疲れた」
『なんで』
「お前のせいだ、バカ」
『バカじゃないもん!』
寝返りをうって、彰に向き合う。
ジーッと見つめられ、勝手に顔が熱くなった。
そんなあたしを見て、フッと笑ったあと、
「やっと俺のもんだ」
と、あたしの髪を撫でた。
あたしはこんなにドキドキしてるのに、彰は余裕そうでムカつく。
少なくとも、あたしは年上なのにっ!
『なんでそんなに余裕なの?』
「余裕、ねぇ。…自信、あったから?」
『自信?』
「たとえお前が他の男を見ていようと、振り向かせる自信。」
キッパリそう言いきる彰に、もう何度目かわからない赤面をした。
「紗也、鈍感すぎだし。普通気づくだろ」
『わかんないもんはわかんないんだもん』
むうっと膨れると、またため息が聞こえた。
「襲うぞ、テメェ」
『なっ!?』
「誘惑まがいのこと、やめろって言っただろ」
『誘惑なんかしてないし!』
「あ、泣き顔はマジで勘弁な」
『え?』
「さっき、アイツらがいなかったら完璧襲ってた」
すみれちゃん、満くん、ありがとう。