僕らのミライレンサ
店内呼び出しがあってら5分もしない内に、香菜ママさんが迎えに来てくれた。いつもは穏やかでにこにこしている顔はそこにはなく、とても焦った様子で部屋に入り、俺を見つけた瞬間「はー」と大きく息を吐いた。
「旬くん、ごめんね!ごめんね!ママったら…怖かったでしょう…ごめんね!」
香菜ママさんは何度も謝り、俺を抱きしめる。すっぽりと収まってしまう小さな身体を大事に、大事に抱きしめ気持ちが痛いくらいに伝わってきた。悪いのは俺なのに…記憶が残っているとはいえ、俺はこの人が大事にしている息子なのに。
「まま、ごめんなさい」
俺は、春瀬旬として生きていかなくてはいけない。もう、佐藤巧は存在しない。
どうしても、自分だけの時が止まったまま動かなくて、1人だけ取り残されてしまったように思えた。周りはどんどんと先に行き、いつの間にか忘れていく。それがものすごく怖かった。
自分が信じなくて、ほかに誰が信じるのだろう。大丈夫、彼女は自分を忘れたりはしない。まだ会うことはできないけど、きっと覚えていてくれる。この日、初めて”旬”として生き、母さんと呼べる気がした。
「旬くん、ごめんね!ごめんね!ママったら…怖かったでしょう…ごめんね!」
香菜ママさんは何度も謝り、俺を抱きしめる。すっぽりと収まってしまう小さな身体を大事に、大事に抱きしめ気持ちが痛いくらいに伝わってきた。悪いのは俺なのに…記憶が残っているとはいえ、俺はこの人が大事にしている息子なのに。
「まま、ごめんなさい」
俺は、春瀬旬として生きていかなくてはいけない。もう、佐藤巧は存在しない。
どうしても、自分だけの時が止まったまま動かなくて、1人だけ取り残されてしまったように思えた。周りはどんどんと先に行き、いつの間にか忘れていく。それがものすごく怖かった。
自分が信じなくて、ほかに誰が信じるのだろう。大丈夫、彼女は自分を忘れたりはしない。まだ会うことはできないけど、きっと覚えていてくれる。この日、初めて”旬”として生き、母さんと呼べる気がした。