ひまわり
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「…汐莉?」
健に名前を呼ばれてフッと我に返る。
あれ…あたし何やってたんだろう?
気づけばここは学校で、黒板に“修学旅行班決め!!”とドでかく文字が殴り書きされている。
そっか…
あたし達もう3年生だから修学旅行の季節かぁ…
あたし達の高校は珍しくて
普通は2年生で行く修学旅行は3年生で行くことになっている。
「でさーどうする?」
「男女3人ずつなんでしょ?なら、神谷くんと桜井くんと関くんと汐莉と南那とあたしでいいよね?」
「「「さんせーい!」」」
「汐莉と桜井くんは?」
「…へっ?」
なんとなくしか聞いていなかったあたしは
突然の麻衣の問い掛けに驚いた。
「俺は別にいいけど?いいよなっ、汐莉」
「あっ…う、うん」
「よーし決まりっ!!みんなで楽しもうねっ」
麻衣が言うと、健以外みんな自分の席に戻っていった。
「班決まって良かったなー」
「う、うん」
あたしの短すぎる返答に健は少し不思議そうな顔をした。
「…な、汐莉?お前なんかあったか?」
少しの間を置いて健があたしに向かって尋ねた。
健の優しい言葉に心が揺れ動いた。
思い出されるのはこの間のシーンばかり…
ひたすら黙るあたしを見て
言えなかったらそれでもいいよ、と付け足してあたしの頭をポンポンと撫でた。
「…ありがとう」
健に触れられた頭が熱い
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