ひまわり
体育館の更衣室に着くと将生がニヤニヤしながらやってきた。
「ちょいちょいちょい~」
と言いながら僕の脇腹を小突く。
「何だよ?」
「あんな可愛い子が彼女なんてさー」
彼女って汐莉のことか?
なぜか腹が立って将生を軽く睨みつけた。
「汐莉は俺のもんだ」
ぜってーわたさねーし
子供みたいに意地を張る自分が可笑しくて笑えてくる。
「健、子供みてー」
「将生にだ、け、は言われたくねーよっ」
だけの部分を強調してみた。
「何だと、このバスケバカっ」
「お前もだろ」
そう言って二人で笑う
「なぁなぁ、そういえばおまえら順調なの?」
「は、何が」
「………子作り」
「…ぶっ!!」
なんつーこと聞くんだ、こいつは。
「ほら、もうアレかなーと思って」
「………まだだよ」
「まじで?!」
だんだんと顔がほてるのが分かる。
あーあ、言っちゃったよ…コイツに
「…つーかさ……
お前、変態」
僕の言葉に暴れ出すヘンタイ将生。
僕的に変態をカタカナにするところが実に将生にピッタリだと思う。笑
そりゃ、簡単に手出せねーよ
めちゃくちゃ汐莉大事だもん。
自分でもビックリするくらい大切だもん。
それに俺、童貞だし?
バスケバカだし?
まぁ、汐莉が誘ってくるまで待つつもりだけど?
男の欲望に彼女付き合わせるってなんかフェアじゃないしな。
「健……お前はいい男だ」
とか言いながら涙ぐんでる人いるし。
「なんで泣いてんだよっ」
「いや、汐莉ちゃんのことそんなに好きなんだなと思って…グスッ」
「…るせー。いいから早く着替えろ」
実は内心、ちょっと嬉しかったりして。
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