ひまわり



◇◆Side.健◆◇





「よっしゃー!!着いたー♪」




飛行機を降りてから、先生の解散の合図で走り出した僕達。

嶺央(レオ)と聡流(サトル)と
南那ちゃんと麻衣ちゃん。
そして汐莉と僕。





僕達の目の前に広がるのは、さっき汐莉と見たキレイな碧い海。
僕は海を見るなり一目散に走り出した。


……そして、今に至るって訳。









「汐莉ーっ!!来いよ?」

「嫌だよ……日焼けするもん…。」




~……っ。
汐莉の反応に思わず頭をかく僕。

仕方なく、汐莉のいる木の下に向かった。






「……ほら。」

「へ?」



体育座りをしている汐莉の手を取った。
そして、僕はそのまま海に向かって
ずかずかずか………





「ね、健…?」

「沖縄来たのに海来なきゃ意味ねーだろっ!!」




汐莉は観念したようにクスッと笑って
海に足を踏み入れた。




「ひゃっ…冷たっ……でも、海だー!!」


よくわからないけれど、汐莉はものすごく騒ぎ出した。
むちゃくちゃ笑顔で水の中入ってバシャバシャやってる。







「たーけーるっ」


と呼ばれて汐莉を見ると……






「?!」





バッシャーンッ

おもいっきり水をかけられた。







「しーおりちゃん?」

「ふぁい?」



僕が呼んでも汐莉は頑として振り向こうとはしない。

振り向かずに波打際を歩いている。




飛び掛かってやろーかな?
でも汐莉のヤツ、絶対口きいてくれなくなるよな……?





なんて考えてた時、
汐莉が僕の視界からフッと消えた。


とっさに汐莉の手があったであろう場所に手を伸ばした。

かろうじて汐莉の手を掴めたはいいものの……








「きゃッ……!!」
「?!」






運悪く、僕は汐莉の上に乗っかった体勢になってしまった。















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