ひまわり



木の下に着くとニヤニヤした嶺央と聡流が、僕の横っ腹を突いてきた。




「お前~何イチャついてんだよっ」

「あんな可愛い子とさっ!!」


「「神様~健ばっか、ずりぃよ~」」





練習したかのように、
タイミングぴったりで見事にハモった二人。

ある意味、ナイスコンビだと思う。







「俺、さらっちゃおっかな?」

嶺央が意味ありげに呟いた。




なっ……
今なんて言った?コイツ……





「……オイ」


あまりに腹立ったらしく、思わず声が低くなる。





「「健、超こえ~……」」

「敵に回したくないランキング第1位だよ、おめでとう」

「おめでとうっ」



なんて言いながら、嶺央と聡流が二人でツボってる。

そんなお前らが僕のツボだよ…笑






僕も一人で考えながらニヤニヤしていると、聡流が一言こう言い放った。




「悪ぃ…ちょい嶺央来い」





お・れ・は?!


一人で自己嫌悪していると
聡流は嶺央だけを連れてどこかに消え去った。






二人が座っていたはずのベンチにせつない風が吹き抜けた。







「……なんでだよぉ~」




白い砂浜に僕の声が響き渡った。















< 117 / 235 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop