ひまわり
木の下に着くとニヤニヤした嶺央と聡流が、僕の横っ腹を突いてきた。
「お前~何イチャついてんだよっ」
「あんな可愛い子とさっ!!」
「「神様~健ばっか、ずりぃよ~」」
練習したかのように、
タイミングぴったりで見事にハモった二人。
ある意味、ナイスコンビだと思う。
「俺、さらっちゃおっかな?」
嶺央が意味ありげに呟いた。
なっ……
今なんて言った?コイツ……
「……オイ」
あまりに腹立ったらしく、思わず声が低くなる。
「「健、超こえ~……」」
「敵に回したくないランキング第1位だよ、おめでとう」
「おめでとうっ」
なんて言いながら、嶺央と聡流が二人でツボってる。
そんなお前らが僕のツボだよ…笑
僕も一人で考えながらニヤニヤしていると、聡流が一言こう言い放った。
「悪ぃ…ちょい嶺央来い」
お・れ・は?!
一人で自己嫌悪していると
聡流は嶺央だけを連れてどこかに消え去った。
二人が座っていたはずのベンチにせつない風が吹き抜けた。
「……なんでだよぉ~」
白い砂浜に僕の声が響き渡った。
.