ひまわり




あっそうだ!



「ねぇ、一緒にミサンガ作ってよ?」

「はあ?」



突然のあたしの提案に少し怪訝な顔のアイツ。




「コレでっ!……お願いっ」


どうしてもっ……と付け足してあたしは頭を下げようとした。




すると、
「しゃーねーなぁ……こう見えても、裁縫とか得意なんだよね♪」



なーんだ。
得意なんじゃんねー♪

それなら話は早い





あたしはさっき強引に渡された糸の塊を、アイツに渡した。

実際、あたしが嘘ついたのがいけないんだけど……。





「ほら、よそ見すんな。やるぞ」

「はっ……はい」





それからあたしは
“どんどん編めるスパルタミサンガ講座”
を嫌々受けるはめになったのは、言うまでもない。










――違うっ!そこはこうだ!


――はいいっ……!







――おい、下手くそ。


――何よ?うるさいわね。








――どこをどうやったらこうなんだよ?!


――だって…あたしは家庭科苦手って言ったでしょ!


――それにしても酷すぎ。お前、女じゃねーな


――はあ?!












……キーンコーンカーンコーン



なんだかんだで、鳴り響いたチャイムが4時限目あたりの終わりを告げた。





「はあ……」
「ふう……」



大量のミサンガを編み上げた、あたしたちは二人同時にため息をつくまでになった。




悔しいけどアイツの編んだミサンガの方が綺麗。

あたし、女の子なはずなのになあ……





なんて思っていると、アイツは立ち上がってドアに向かった。








「……そういえばあんた、名前何?」



あんなに長い時間一緒にいたのに、名前すら知らないって……どうよ?


あたしは、アイツの後ろ姿に向かって叫んだ。















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