ひまわり
◇◆Side.健◆◇
ドンドン……
パシュッ
汐莉を家に送り届けてから、僕はもう一度この公園に来ていた。
俺のバスケ
誰のものではなく、俺のバスケ。
俺が創り出す俺の世界。
かつて、有名なプレーヤーが行っていたように“バスケは日常から”が大事。
普段から焦ってばかりいたら、試合中に落ち着けるわけなんてない。
普段から周りを見ていなかったら、試合中仲間と支え合うことなんてできない。
俺の“思う”バスケは、仲間を生かしながら自分のバスケを完成させるもの。
小さい頃からバスケばかり考えて過ごしていたら、いつの間にかこの性格になってた。
バスケがカラダの一部のような気がした。
「…………ハァハァ」
もうすぐで全国。
夢にまで見た全国。
バスケの天才が集まるあの場所に、僕なんかが行っていいのか不安だけれど……。
自分を信じて。
ずっと続けてきたバスケに自信と誇りを持って。
「……ハァ…ハァ」
リバウンド……
完璧なシュート………
いつも考えていた。
誰よりも高く、誰よりも遠く、誰よりも速く。
バスケのコートで駆け抜け、活躍できるかって。
それで見つけた答え。
“自分自身のバスケ”をすること。
今更だけど、バスケは難しいスポーツです。
でもその分、上達すればするほど楽しいスポーツです。
そして……
自分のバスケができたら最高です。
と。
もうすぐで全国。
夢にまで見た全国。
真夏の夜の夢は長い。
精一杯尽くせるように、僕はボールを追いかける………。
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