ひまわり
ブーッ
「さあ、始まりました!高校体育連盟主催インターハイ全国大会!
司会はわたくし……」
いよいよ来てしまった。
これから3日間に渡って、全国大会の開催される。
高校のインターハイ全国大会というだけあって、訪れる観客の数とテレビ局の取材陣はハンパない。
「…この鹿児島の空に優勝カップを掲げるのはどのチームでしょうか?!
楽しみですね!」
そんなの知らねーよって思うけど、そんなことも言っていられず、朝日ヶ丘高校は対戦校の偵察に来ていた。
僕らはシード校らしく、2試合目だった。
今の状態のままいけば、おそらく対戦校は東海高校だろう。
「おい、汐莉?」
「はい?」
一生懸命ノートにペンを走らせる汐莉に僕は声をかけた。
何やら、相手チームの特徴を書いているみたい。
「…東海はディフェンスが穴ね」
「ディフェンス?」
汐莉のぼやきに僕はゲームに視線を戻すと、東海のプレーを観察した。
パッと見た感じではバラつきも無く、手強そうに見える。
でもじっくり見てみると、5人全員がお互いの位置を把握していないのか混乱する時がちらっと見えた。
「なるほどね。……切り込んで行ったほうが上手くいくか?」
「……いや。パスを回して様子を見たら間が開くから、そこにブレイクが最適かな?」
「オッケー」
下手に突っ込むとぶつかってきてファールを取られる場合が高くなる。
なら、的確に行くか……?
「じゃあさ、フラッシュは難しいか……」
「…うーん。身長ならうちの方が大きいからいいと思うんだけど……難しいかも」
「センターが使えない……」
致命傷だ……。
東海が相手なら、センターには下がっていてもらって
スピード力のあるメンバーを出した方がいいのか……?
ああ、わかんねぇ……
「センターを上手く使えばいいんじゃないか?」
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