ひまわり
第4クォーターが始まるとすぐに朝日ヶ丘は攻めに入った。
それに負けじと東栄も攻めに入る。
これからは1点1点を争う戦いになるはず。
時間との勝負だ
----------
―後半最終クォーター
残り1分
朝日ヶ丘vs東栄
105-107
ラスト1分をきって、両チームとも動きに疲れが見える。
たかが2点差。
されど2点差。
この1ゴールの差は大きい。
お願い………
なんとか点数を入れて…!!
あと45秒……
ボールコントロールが変わる度に、会場は一層ざわめく。
どちらともシュートが入らず、点差が開くことも縮むこともない。
ドクン………
鼓動が少しずつ速くなる。
あと24秒……
24秒タイマーの表示が消えて、ボールコントロールはなんと…朝日ヶ丘…!
パスを慎重にまわす間にも時間は流れる。
将生くんがドライブして…逆サイドにパスを回して……
「あと10秒…!!」
ドクン……
ディフェンスが蓮くんに寄った…!!
あっ………!
9…
「健ーーーー!!」
8…
7…
6…
健にパスが入って……
5…
4…
スローモーションみたいに真っ直ぐで…
3…
少しもブレたりしない腕が、ゴールを目掛けてボールを弧を描き、放った。
2…
時が止まる。
選手も観客も…全てが止まる。
会場の声援も聞こえなくて。
あたしが聞いたのは、健の“入る”って言葉だけ。
1…
健がガッツポーズをした瞬間
パシュッ…
ビーッ!!!!
.