ひまわり
「なに照れてんだよ(笑)
そんなに俺といたいか」
思いそうになってた気持ちを、そのまま言葉に出されてあたしは驚いて健を見つめた。
「もしかして…図星?」
「…ゔっ………それは…」
図星すぎて、しどろもどろだよ~……
またからかわれる……
……って、えっ?!
健の横顔を見つめたら、耳がほんのり赤く染まっているのが見えた。
「……なんだ、健こそ照れてるんじゃん」
「……るせー」
「ふふ、健可愛い」
「…黙って早く行くぞ」
「あっ、ちょっと待ってよー」
スタスタと早歩きになって、あたしは一生懸命追いかけた。
照れてる健の小さな後ろ姿が珍しくて、可愛くて。
いつまでも見ていたいと思った。
「ねぇ、健ー?」
「……んだよ」
健の返す言葉が小さい子みたいで、あたしは小さく笑って言った。
「健は…どこ行きたいの?」
「俺は……」
そう言うと、突然立ち止まった。
ドンッ
「……きゃっ……?!」
ぶつかったあたしを健は優しく抱きしめた。
…しかも、廊下のド真ん中で。
「……たけ…」
健、と呼ぼうとしたあたしの口に人差し指を置いて
「…汐莉が行きたい場所が俺の行きたい場所だから」
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