ひまわり
―君に届け
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◇◆Side.汐莉◆◇
『―3年B組はバンドをやる、でいいですか』
「「いいでーす」」
――11月
もうすぐ朝日ヶ丘高校名物“朝日ヶ丘festival★”が始まる。
あっ……。
朝日ヶ丘festival★っていうのは、簡単に言えば学校祭ってとこかな。
朝日ヶ丘高校はもともとはじけた校風だから、学校祭も他の学校とは一風変わっている。
朝日ヶ丘festival★の開催日は一週間あって、最初の3日間は展示物中心のクラスの発表。
次の2日間は体育館で吹奏楽や管弦楽や合唱部の演奏を聴いたり、ステージ発表の劇を見たりする。
最後の2日間が1番盛り上がる。
なぜなら全クラスの中から、はえある腕相撲大会で優勝したクラスだけに与えられるバンドの演奏があるから。
毎年毎年、骨折やら捻挫やらケガ人続出のこの大会……。
バカバカしいったらありゃしない。(笑)
で!
うちのクラスは運良く優勝してしまい、望んでもなかったバンド演奏に決まったというわけ。
話し合いもグダグダだから、あたしは頬杖をついて窓の外を見ていた。
うん。
できることなら裏方で音響とかやっていたい気分。
なにしろ、人前に出るのが苦手なもんで……
「~……ねっ、汐莉!!いいよねっ★」
自分の世界に入り浸ってたあたしは最初の方の言葉を聞き逃してしまい、仕方なくコクンと頷いた。
それが間違っていたなんて……!
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