ひまわり



どうしても今すぐ汐莉を感じたくて、僕は強く強く汐莉を抱きしめた。


「ちょっ……」

「…ばかやろう」

「へ…?」

「心配させんなよ」




普段よりもきつくきつく抱きしめて、離れないように押さえ込んだ。

蓋をしなきゃいけない思いが口をついてポンポン溢れ出す。

ポンポンポンポン…

もう溢れて止まらない。


汐莉を他のヤツに渡したくなんかない。






「健…もしかして妬いてたの?」

「バカか。気付くの遅すぎ」

「健、可愛い」

「黙ってろ」





僕らは何回同じことを繰り返すんだろう。
何度も繰り返して、ほんの少しずつ成長していく。

まあ、ガキなのは俺なんだけど。




それでも変わらないのは、汐莉が好きだってこと。

そりゃ僕だって多少なら我慢くらい出来るけど、ずっとほったらかしにされてたらいい加減悲しくなる。

ただでさえも、汐莉のこと過保護すぎるくらいなのに。





それから僕らは、小さくキスを交わした……。

夕日が美しくて、また汐莉と見たいと思った。















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