ひまわり
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◇◆Side.汐莉◆◇
まだ消えない君の唇の熱。
結局、健の愛の言葉に恥ずかしくて返事もできずに今日。発表の日を向かえた。
いよいよ朝日ヶ丘festival★も大詰め。
あたしたちの発表は、一番最後。
たぶん、もう少し。
あと少し、あたしの心臓がもってくれるのかすごく心配だけど。
「3-Bの皆さん、宜しくお願いします」
ガラガラと控室のドアが開いて、生徒会の人が顔を覗かせた。
それを合図にあたしたちは立ち上がって、各自楽器を手に体育館へ向かった。
何をステージで話せばいいか、
何をすればいいのか。
全部忘れそうで、さっきから心臓が暴れてる。
頭が真っ白になりそう。
大丈夫、大丈夫。
そう言い聞かせる心が、無性に落ち着かない。
「神崎さん、あんまり緊張しなくていいんだよ?」
「そうだよ!汐莉ちゃんは歌上手だし、絶対大丈夫だから」
「みんなでやってきた事をぶつければいいんだよ」
バンドメンバーからの激励の言葉を受けて、あたしは大きく頷いた。
声を発したら涙が出そうだったから必死で堪えた。
体育館の裏玄関が近づいてくる。
みんなを信じろ。
大丈夫だから。
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